●BRM419静岡400km。さすがに400kmは骨が折れるね(^^;(その3)
(続きです)
PC3を出れば、後の難関は峠を二つ越えるだけ。あと50kmほど走れば残りは下り基調。もうゴールしたも同然です(なハズはありませんが(^^;)。200km以上走った後にまた坂ってのは、もちろん“楽”なハズはありませんが、思っていた程にはきつくないんですよね。
気温も下がって走り易くなりましたし、膝の痛みもなくなってます。
シッティングでは太ももの上や下の筋肉を交互に休ませたり、疲れた時は『ゆっくりダンシング』で。
「あ、走りながら回復してる?」
もう、どこまでも走って行けそうな気がするよ(遅いけどね)。楽しい!
19:27 最後の峠(その1)は約15kmで400mほどを上ります。
ほとんどは緩い坂ですね。
ときどき通る車のヘッドライトと、思い出したように点在する街灯。ほとんどの道行を照らすのは月明かりのみ。
聞こえるのは自分のチェーンの音だけです。
でも怖くないよ。暗くたってオバケなんて怖くないんだいっ(笑)。
だって今日は自分の前にも後ろにも、今どこかは分からないけど全部で20人の仲間が走ってるんだ。
四国巡礼では空海上人と同行二人《どうぎょうににん》と言うけれど、今日のブルベはさしずめ同行二十一人《どうぎょうにじゅういちにん》だぜぇ。
20:25 15kmに1時間かかった。最後の方が急坂だったな。
トンネルは怖いから急いで抜けましょう。ギアをインナーから上げて……あれ?
ガチャガチャ、ガシャーン!! ガキッ!
ああぁぁぁっ、チェーンが落ちて、しかもフレームとチェーンリングの間に挟まっちゃったよ。
……外れない( ̄□ ̄;)!!ガーン。
しっかり挟まっちゃって、押しても引っ張ってもビクともしない。全然取れないっす。ど、どうしよう(´・ω・`)。
こんなところでDNF? いや、そんなんなったらこんな山奥からどうやって家に帰れば? ダメだ、絶対に復帰しなきゃ。と、チェーンを引っ張ったり足で押したり、クランクをガンガン蹴っ飛ばしたり……数分の間、悪戦苦闘。
よ、良かった……外れたよ。
フレームの塗装が剥げちゃったけど(゚ε゚)キニシナイ!!
フレームが傷ついちゃったかもしれないけど(゚ε゚)キニシナイ!!
(゚ε゚)キニシナイ!!
(゚ε゚)キニ・・・・・
(゚ε゚)キ・・・・
(゚ε゚)・・・・・・
(;ε;)キニシナイ!!
トンネル抜けたら13km下り。そのあとの上りは20km、標高で400m上ります。平均にすれば2%なんで、それほど苦しい坂じゃない。ただ距離がやたらと長いだけで。
それより問題は……晩ごはん食べてしばらく走ったら、うんこしたくなってきた(^^;。ト、トイレは? 山奥の坂道のこととて、コンビニも公衆トイレも見当たらない。お尻をキュッと締めて、我慢しながら、トイレ探しながら(・_・ ) ( ・_・)走ります。
コーモンの辺りがイヤな汗でじっとりしてきましたよ。
そして、自転車と共に身を隠せそうな茂みを物色し始めた頃、ようやく発見!
21:43 地獄に仏とはこの事だ(^^)。比較的清潔なトイレでした。
20分のタイムロスでしたが、チェーンと格闘して汚れた手も洗えて一石二鳥。
20kmの上りが終ったのは22:30頃。残りは下り基調の130kmほど。もうゴールしたも同然ですね(^^)v
0:10 新城総合公園。
ここから自宅までわずか20kmほど。「帰ってきた」って感じ。ゴールまでは90km!
ところで、お尻が痛くなってきましたよ。サドルが当るところが……とかじゃなくて、お尻の割れ目の右と左でこすれて股ズレ状態。コーモン様の周辺がヒリヒリと……。
汗でじっとり湿ってるから余計にこすれるんだな。サドルに座っても、腰を浮かしても、どうやっても痛いよ。辛い。
でもゴールまであと少し。我慢して走り切らなきゃ(600kmだったらDNFだな(-_-;)
0:51 PC4「ローソン新城庭野店」に到着。「頑張れ」と応援の人たちが待機してた。
マンゴー味のアイスとシュークリームを補給。
もうひとつはジャイアントコーンですね。グリコのアイスじゃないよ。トウモロコシの大きいやつで、ナッツと一緒におつまみに入ってるやつ。
この硬いのをボリボリ食べてると、眠気が取れるんだよね。
PC4での休憩は25分ほど。1:06に出発して、あと80km。大きなトラブルさえ無ければ4時台の前半にゴールできるな、と皮算用し始めたところで……。
1:52 パンクだよorz。
雨も降ってきたし、踏んだり蹴ったりだ。
パンク修理しているところを、数人のランドヌールたちが通り過ぎていきました。ほとんどの人が「大丈夫ですか?」と声を掛けつつ。
中には「チューブ持ってますか?」とまで聞いてくれた人もいて、いや、でも仮に持ってなかったとしても、そこまで好意に甘えることは出来ないっすよ。
パンクしたのは、またもや前輪ですね。4000km走ってるし、そろそろ交換時期なのかもと思いつつ、15分でチューブ交換完了。2時ちょい過ぎであと70km。まだ4時台のゴールはギリギリ行ける!
2:36 雨の浜名湖を左に見ながら
そして新居町の市街地へ。雨で濡れた深夜の街をひた走る。路面は濡れているものの、アスファルトの状態は良くて走りやすい。自然にスピードも乗ってきます。快調!
あ、赤信号だ。減速……ありゃ、また変速がダメだなぁ。ちょっと歩道に止まって、と。
おや、ちょっと段差が。ま、大丈夫かな。
3:12 自転車は横にスパーンと吹っ飛び、僕は歩道に投げ飛ばされた。
落ちながら、とにかく身体を丸めてダメージを少なくしようとしたものの、そのまま肩と頭から落下。
落ちる瞬間、スローモーションのように近づいてくる地面を見ながら、ああ、ヘルメット削れちゃってるかなぁ。(弟がスキーで肩の関節を折ったときのように)肩をギブスで固めて入院かなぁ、と。
地面に叩き付けられ転がった僕には、もう上も下も分からず、自分がどんな姿勢になっているのかさえ分かりません。激しい痛み。苦痛だけに全身を支配されて、僕は為す術もなく歩道に転がって……そのままの姿勢で何秒、何分、どれほど動けずにいたのか。ようやく半身折り曲げて足元を見ると、自転車は2〜3m離れたところに。
這いずるようにそこまで辿り着いたものの、またへたり込んでしまいました。気力を振り絞って、痛みをこらえつつ自転車を起こして状態をチェック。左の肩は動かない。でもその先の腕や手は動く。感覚もある。麻痺とかはなさそうだな。
レーパンは破れて血は出てるけど、足も動く、大丈夫。
ヘルメットは……強く打ったと思ったけど貼り付けてたライトが飛んだだけだ。
フレームは? ホイールは? OK、走れる!
たまたま通りがかったブルベの運営の人が、車を止めて声を掛けてくれました。
「大丈夫ですか?」
もちろん大丈夫じゃないけど(笑)、ここまで来てDNFは嫌だったので、
「大丈夫です! 自転車も壊れてなさそうだし、お構いなく!」
と。正直、まだ意識が朦朧としてたんで、ちょっと支離滅裂な感じで喋ってたかも知れません(^^;。
※後でGPSのデータを見ると、直前に35km/hから30km/hに減速したところでこけてますね。それから再び動き出すまで4分ちょっと。
あとわずか50km。行ける、行ける、行ける! と、自分に言い聞かせながら……。
4:13 最後のPC5に到着
休んでる暇なんかない。いや、休んだら動けなくなってしまいそうで……。
通過証明のレシートのために買ったマンゴージュースを一気飲みして再スタート。
4:34 夜が明ける
今回のブルベ、密かに考えていた最初の目標は“夜が明けるまでにゴール”でした。
それが無理なら“5時までに”。満身創痍の今となってはそれも無理。
せめて6時までにゴールすれば「24時間以内に400km走った」と言えます。
4:39 橋の通行料金10円也
腕が上がらなくて、左手でお金を入れられませんでしたorz。
袋井市に入ってから、標高70mほどの丘があります。
なんでもないこの程度の丘が、今の僕には最悪の難所です。肩から力が入らないのでダンシングが出来ません。クランクを回すたびに膝と腰の擦過傷が痛みます。
それでも、「あそこまで行ったら足を付こう」「あの角まで行ったら休もう」「あの信号まで……」と繰り返し、最後は「ゴールまで一秒でも早く。そしたら休めるんだ」と、全ての力を絞り尽くし……。
5:56 ゴール時間は5:50。“24時間以内のゴール”は達成!
ブルベ運営の方から豚汁をふるまっていただきました。
(追記は次のアーティクルで)
BRM419の記録
403.48km 平均速度:21.7km/h 最高速度:62.2km/h
総所要時間:23時間50分 走行時間:18時間33分31秒
累積標高:5,150m
ブルベの公式記録
Start/6:00 PC1/7:13 PC2/13:41 PC3/18:43 PC4/0:50 PC5/4:13 Finish/5:50
出走者は21名。僕の前には14人。僕の後ろは4人+DNFが2名。
PC3を出れば、後の難関は峠を二つ越えるだけ。あと50kmほど走れば残りは下り基調。もうゴールしたも同然です(なハズはありませんが(^^;)。200km以上走った後にまた坂ってのは、もちろん“楽”なハズはありませんが、思っていた程にはきつくないんですよね。
気温も下がって走り易くなりましたし、膝の痛みもなくなってます。
シッティングでは太ももの上や下の筋肉を交互に休ませたり、疲れた時は『ゆっくりダンシング』で。
「あ、走りながら回復してる?」
もう、どこまでも走って行けそうな気がするよ(遅いけどね)。楽しい!
19:27 最後の峠(その1)は約15kmで400mほどを上ります。
ほとんどは緩い坂ですね。
ときどき通る車のヘッドライトと、思い出したように点在する街灯。ほとんどの道行を照らすのは月明かりのみ。
聞こえるのは自分のチェーンの音だけです。
でも怖くないよ。暗くたってオバケなんて怖くないんだいっ(笑)。
だって今日は自分の前にも後ろにも、今どこかは分からないけど全部で20人の仲間が走ってるんだ。
四国巡礼では空海上人と同行二人《どうぎょうににん》と言うけれど、今日のブルベはさしずめ同行二十一人《どうぎょうにじゅういちにん》だぜぇ。
20:25 15kmに1時間かかった。最後の方が急坂だったな。
トンネルは怖いから急いで抜けましょう。ギアをインナーから上げて……あれ?
ガチャガチャ、ガシャーン!! ガキッ!
ああぁぁぁっ、チェーンが落ちて、しかもフレームとチェーンリングの間に挟まっちゃったよ。
……外れない( ̄□ ̄;)!!ガーン。
しっかり挟まっちゃって、押しても引っ張ってもビクともしない。全然取れないっす。ど、どうしよう(´・ω・`)。
こんなところでDNF? いや、そんなんなったらこんな山奥からどうやって家に帰れば? ダメだ、絶対に復帰しなきゃ。と、チェーンを引っ張ったり足で押したり、クランクをガンガン蹴っ飛ばしたり……数分の間、悪戦苦闘。
よ、良かった……外れたよ。
フレームの塗装が剥げちゃったけど(゚ε゚)キニシナイ!!
フレームが傷ついちゃったかもしれないけど(゚ε゚)キニシナイ!!
(゚ε゚)キニシナイ!!
(゚ε゚)キニ・・・・・
(゚ε゚)キ・・・・
(゚ε゚)・・・・・・
(;ε;)キニシナイ!!
トンネル抜けたら13km下り。そのあとの上りは20km、標高で400m上ります。平均にすれば2%なんで、それほど苦しい坂じゃない。ただ距離がやたらと長いだけで。
それより問題は……晩ごはん食べてしばらく走ったら、うんこしたくなってきた(^^;。ト、トイレは? 山奥の坂道のこととて、コンビニも公衆トイレも見当たらない。お尻をキュッと締めて、我慢しながら、トイレ探しながら(・_・ ) ( ・_・)走ります。
コーモンの辺りがイヤな汗でじっとりしてきましたよ。
そして、自転車と共に身を隠せそうな茂みを物色し始めた頃、ようやく発見!
21:43 地獄に仏とはこの事だ(^^)。比較的清潔なトイレでした。
20分のタイムロスでしたが、チェーンと格闘して汚れた手も洗えて一石二鳥。
20kmの上りが終ったのは22:30頃。残りは下り基調の130kmほど。もうゴールしたも同然ですね(^^)v
0:10 新城総合公園。
ここから自宅までわずか20kmほど。「帰ってきた」って感じ。ゴールまでは90km!
ところで、お尻が痛くなってきましたよ。サドルが当るところが……とかじゃなくて、お尻の割れ目の右と左でこすれて股ズレ状態。コーモン様の周辺がヒリヒリと……。
汗でじっとり湿ってるから余計にこすれるんだな。サドルに座っても、腰を浮かしても、どうやっても痛いよ。辛い。
でもゴールまであと少し。我慢して走り切らなきゃ(600kmだったらDNFだな(-_-;)
0:51 PC4「ローソン新城庭野店」に到着。「頑張れ」と応援の人たちが待機してた。
マンゴー味のアイスとシュークリームを補給。
もうひとつはジャイアントコーンですね。グリコのアイスじゃないよ。トウモロコシの大きいやつで、ナッツと一緒におつまみに入ってるやつ。
この硬いのをボリボリ食べてると、眠気が取れるんだよね。
PC4での休憩は25分ほど。1:06に出発して、あと80km。大きなトラブルさえ無ければ4時台の前半にゴールできるな、と皮算用し始めたところで……。
1:52 パンクだよorz。
雨も降ってきたし、踏んだり蹴ったりだ。
パンク修理しているところを、数人のランドヌールたちが通り過ぎていきました。ほとんどの人が「大丈夫ですか?」と声を掛けつつ。
中には「チューブ持ってますか?」とまで聞いてくれた人もいて、いや、でも仮に持ってなかったとしても、そこまで好意に甘えることは出来ないっすよ。
パンクしたのは、またもや前輪ですね。4000km走ってるし、そろそろ交換時期なのかもと思いつつ、15分でチューブ交換完了。2時ちょい過ぎであと70km。まだ4時台のゴールはギリギリ行ける!
2:36 雨の浜名湖を左に見ながら
そして新居町の市街地へ。雨で濡れた深夜の街をひた走る。路面は濡れているものの、アスファルトの状態は良くて走りやすい。自然にスピードも乗ってきます。快調!
あ、赤信号だ。減速……ありゃ、また変速がダメだなぁ。ちょっと歩道に止まって、と。
おや、ちょっと段差が。ま、大丈夫かな。
あっ!
3:12 自転車は横にスパーンと吹っ飛び、僕は歩道に投げ飛ばされた。
落ちながら、とにかく身体を丸めてダメージを少なくしようとしたものの、そのまま肩と頭から落下。
落ちる瞬間、スローモーションのように近づいてくる地面を見ながら、ああ、ヘルメット削れちゃってるかなぁ。(弟がスキーで肩の関節を折ったときのように)肩をギブスで固めて入院かなぁ、と。
地面に叩き付けられ転がった僕には、もう上も下も分からず、自分がどんな姿勢になっているのかさえ分かりません。激しい痛み。苦痛だけに全身を支配されて、僕は為す術もなく歩道に転がって……そのままの姿勢で何秒、何分、どれほど動けずにいたのか。ようやく半身折り曲げて足元を見ると、自転車は2〜3m離れたところに。
這いずるようにそこまで辿り着いたものの、またへたり込んでしまいました。気力を振り絞って、痛みをこらえつつ自転車を起こして状態をチェック。左の肩は動かない。でもその先の腕や手は動く。感覚もある。麻痺とかはなさそうだな。
レーパンは破れて血は出てるけど、足も動く、大丈夫。
ヘルメットは……強く打ったと思ったけど貼り付けてたライトが飛んだだけだ。
フレームは? ホイールは? OK、走れる!
たまたま通りがかったブルベの運営の人が、車を止めて声を掛けてくれました。
「大丈夫ですか?」
もちろん大丈夫じゃないけど(笑)、ここまで来てDNFは嫌だったので、
「大丈夫です! 自転車も壊れてなさそうだし、お構いなく!」
と。正直、まだ意識が朦朧としてたんで、ちょっと支離滅裂な感じで喋ってたかも知れません(^^;。
※後でGPSのデータを見ると、直前に35km/hから30km/hに減速したところでこけてますね。それから再び動き出すまで4分ちょっと。
あとわずか50km。行ける、行ける、行ける! と、自分に言い聞かせながら……。
4:13 最後のPC5に到着
休んでる暇なんかない。いや、休んだら動けなくなってしまいそうで……。
通過証明のレシートのために買ったマンゴージュースを一気飲みして再スタート。
4:34 夜が明ける
今回のブルベ、密かに考えていた最初の目標は“夜が明けるまでにゴール”でした。
それが無理なら“5時までに”。満身創痍の今となってはそれも無理。
せめて6時までにゴールすれば「24時間以内に400km走った」と言えます。
4:39 橋の通行料金10円也
腕が上がらなくて、左手でお金を入れられませんでしたorz。
袋井市に入ってから、標高70mほどの丘があります。
なんでもないこの程度の丘が、今の僕には最悪の難所です。肩から力が入らないのでダンシングが出来ません。クランクを回すたびに膝と腰の擦過傷が痛みます。
それでも、「あそこまで行ったら足を付こう」「あの角まで行ったら休もう」「あの信号まで……」と繰り返し、最後は「ゴールまで一秒でも早く。そしたら休めるんだ」と、全ての力を絞り尽くし……。
5:56 ゴール時間は5:50。“24時間以内のゴール”は達成!
ブルベ運営の方から豚汁をふるまっていただきました。
(追記は次のアーティクルで)
BRM419の記録
403.48km 平均速度:21.7km/h 最高速度:62.2km/h
総所要時間:23時間50分 走行時間:18時間33分31秒
累積標高:5,150m
ブルベの公式記録
Start/6:00 PC1/7:13 PC2/13:41 PC3/18:43 PC4/0:50 PC5/4:13 Finish/5:50
出走者は21名。僕の前には14人。僕の後ろは4人+DNFが2名。
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